« あけましておめでとうございます! | トップページ | コメントを頂きました。 »

2009年1月18日 (日)

2009年センター英語試験分析

さきほど田平先生と今年のセンター試験の分析会を終えました。ひと言でまとめると「全体的な読解量が増えて、上位層と中位層以下で差が開く問題」。苦手な子にとっては、すべてをやりきるのが非常に辛い問題だと思われます。ただ、この読解量を増やすという傾向は英語教育にとってはいいことではないでしょうか?また、従来のようなセンター用の単語なんて関係なくなりつつあります。語彙も神戸大学レベルの語彙が必要だと思われます。「センター試験用単語集」なんてそもそも「インチキくさい」ですよね。

第1問A・B:オーソドックスな問題

comfort のアクセントのない -or-が曖昧母音化する問題は良問。

センタープレ講座配布プリント: debt / debut / doubt / subtle     アタリ!

2009年センター       :   debt / doubt / subtile / subtle 

第1問C:一部昔の問題形式に戻った。                                                     

代名詞(it)と接続詞(that)が弱音であることを尋ねた問題。従来の問題をやる必要がある。

第2問A:へんな熟語(run in the familyとか close downが出ていた。何なの?

問5 You've got [            ] on your tie. Did you have fried eggs for breakfast?

(1) a few eggs   (2) an egg   (3) some eggs   (4) some eggs

拙著「竹岡式やり直し英語」の中に You have egg on your nose. を取り上げています。まさか僕の本を見て作ったってことはないわね(笑)。

第2問B:会話文はやはり消去法

センタープレ講座で取り上げた I couldn't agree ore. 「激しく同意」が解答になっていたのでびっくりした。相変わらず消去法の徹底をさせる問題。

第2問C:if の省略による倒置なんか出してどうするの?

後置修飾(everything you eat )は相変わらず出てました。なんと問3に had I answered... という仮定法過去完了形の条件節における if の省略なんとものが出ていました(笑)。問題作成委員会の中に懐古主義者でもいるのでしょうか?過去30年の歴史で初ですね。

第3問A:昨年より短く簡潔になりました。

要するに同一パラグラフ内では言い換えがあるということでしょうか?a real can of worms「ミミズの本当の缶」なんて面白い表現ですね。

第3問B:少し英文は長くなりましたが相変わらずです。

①友達は少なくても良い②友達が多い方が良い③両方が良い、という単純な論理構造の問題。主張を選ぶという点では昨年と同じ。ただ解答番号30の問題の答えは「主張の具理由の1つ」にすぎない。センターにしては「うーん」かな。

第3問C:「漠然から具体」の嵐

「逆接」が出ると思っていましたが、3問とも「漠然から具体」。そして何と!解答番号32は、パラグラフの終わりに「漠然」があって、次のパラグラフにその「具体化」があるというセンター史上初(追試を除く)の試みでした。センター作成部会はどうしたのでしょうか?  単語では dairy「酪農」なんか出ていましたが難しいですね。

第4問A:英文が長く、図表が小さい。

問3の答えが Rainforests are likely to make more money if they are not destroyed.になったのには本当に驚きました。「センター本試験」が、「熱帯雨林がお金になる」なんて書くのは「アリ」ですかね?何度も何度も解き直しましたよ。

第4問B:邪魔くさい邪魔くさい

単語レベルが高いですね。nausea「吐き気」、constipation「便秘」、diarrhea「下痢」。従来のセンターでは考えられないレベルの単語ですね。医者の問診票ですから仕方ないとはいえ、今後はどうなっていくのでしょうか?語彙の増加は僕は賛成ですが。

いろんな所を見なければ解けないので邪魔くさいですね。本当に。

第5問;沢山読んでも偽情報は「わずか」だけ。

Aはとにかく読ませたいのでしょうね。選択肢①は5行も英文読んで、間違っているのは arms held straight だけ。しかも最終行。いじめですね。

Bは使える情報が The size of the components in each section is small. だけですね。

Cは昨年の追試と同様に、全ての選択肢に感情表現が入りました(解答と無関係)。それぞれ偽情報が僅かずつ入っています。

第6問:ロングマンの援軍:英英辞典を使えよ!!!というのがテーマです。

僕の声がセンター作成部会に聞こえたのでしょうか?英英辞典がいかに優れているかをただただ読ます問題。設問は昨年に引き続き、いちいち本文に戻らなくても解ける良問。この傾向が続けば日本人の読解力の向上につながると思います。                                                                       

|

« あけましておめでとうございます! | トップページ | コメントを頂きました。 »

コメント

試験分析お疲れ様です。
先生の声が、部分的ではありますが入試センターに
届いたようで、なによりです。
私は社会人でありますが、先生のご著書で英語の勉強をやり直しております。
助動詞の話なんか面白いです。
最近は、禅の本や文学作品も英語で読んでいます。
受験では出会わなかった英語が出てきて困惑します。
教育全般への大人の関心は、今日においても高いですが、竹岡先生のような教師が今後、
ひとりでも多く育ってくれるといいなと
思っております。
私も数学を語る者として、責任ある行動をとろうと思います。
失礼します。

投稿: べべ | 2009年1月18日 (日) 04時26分

 センター試験の設問とその解答であるThe writer implies that by continuing to use only bilingual dictionaries, learners are less likely to achieve a good command of language.というくだりは全く至言と思いました。
 是非、センター試験英語で英英辞典の使用を認めてほしいです。千円くらいのものを受験者全員に配布することにすれば受験生は英英辞典の習熟に励むでしょうから、日本人の英語力は大いに向上すると思います。

投稿: 鈴木康 | 2009年1月19日 (月) 09時57分

はじめまして。同業です。

>「問3の答えが Rainforests are likely to make more money if they are not destroyed.になったのには本当に驚きました。「センター本試験」が、「熱帯雨林がお金になる」なんて書くのは「アリ」ですかね?」

アリだと思います。
熱帯雨林がお金にならないから、貧しいnativeたちが森林伐採に走っているという現実があります。
熱帯雨林は金にならない。
材木は金になる。
だから森林破壊が進んでいる。
しかし実際には地球上では経済原理がすべてを支配してます。
それを嘆くのではなく、それを現実として捉えて森林破壊を防ぐしかないのではないでしょうか。
熱帯雨林を守ることがお金になるならNativeたちは喜んで熱帯雨林を守るでしょう。
実際にCoalition for Rainforests Nationsという熱帯雨林保有国の連合が登場しています。
森林破壊を回避することに経済的インセンティブを導入しようというものです。
もう経済原理を森林破壊回避の中に入れるしか他に方策がないと思うのですが。
先生は「ナシ」というご意見ということになると思うのですが、ならば熱帯雨林破壊を回避する具体的な手段は如何お考えなのでしょうか。(すみません、攻撃してるのではなくて、ちょっとあまり考えずに書かれたなあ、という印象を持ったものですから。Rainforests are likely to make more money if they are not destroyed.がナシならRainforests are likely to make more money if they are destroyed.ということを先生はお認めになってる。この考え方を変えることが森林破壊をストップさせる唯一の方法だお思います。もしご意見があるならお聞かせください。)

私はこの設問を、やるなあ、と思いました。
先生のブログでの発言は私の生徒から聞きました(生徒は批判ではなく、先生のおっしゃるとおりでおかしな問題だ、と考えていたようです)。
このように先生の発言は影響力が大きい。

是非とも地球をよい方向にお導きいただければと思います。
最後に匿名でこのような文章を同業の大先輩に書いたこと、何卒お許しください。

投稿: an environmentalist | 2009年1月19日 (月) 21時16分

はじめまして、地方の高校教員です。ご活躍はTVや著書等で拝見しております。数年前、元受験屋からの転身を図って日々悪戦苦闘しております。

今回、看過できずについつい書き込んでしまったのは、第2問Aについてのコメント「変な熟語」と評されていた部分です。このrunやdownの出題は果たして変でしょうか。まるで、生きた英語表現と受験用英熟語集が天秤にかけられ、生きた英語がつまはじきにされた気分です。語の根幹の意味を問う問題(それこそ受験主義に毒されていないかを問う、言い換えれば「英語のセンスを問う」良い問題)だと感じています。

第2問Cのifの倒置も、洋画を見て幾度となく耳にし、「文語かと思っていたら、こういう風にも使うのか」と感じたものです。toeicの問題集にも収録されているくらいなので、きっと私たちも学ぶべき表現だとネイティブスピーカーが判断しているのではないかと常々推測していたのですが、ばっさり切り捨てられてしまいました。

前の方がおっしゃっているように、先生の発言は影響力が大きいことに間違いはありません。ただややもすると、不特定多数の中の私のようなものから見れば、実際の英語がどのように使われようと、自分が教えたことが出るかでないかという論点だけで物事を論じられているような気がして大変気になりました。本当はそういう方でないというのも存じ上げているつもりでしたが、やや残念な感じがしています。

これからは2次試験という大きなハードルがあります。先生が多くの塾生の笑顔に接することができるよう、遠くよりお祈り申しあげます。それでは、失礼します。

投稿: 一教師 | 2009年1月21日 (水) 21時59分

先生はifの省略による倒置が出題されていたことに批判をされているようですが、それなら国語の古典や数学自体も批判していることになりませんか?
先生が言っていることは、この問題は古い、現代には必要ない、社会に出たら使わない。
だからこんなものは出題するな。
というのと同じことです。
でも私はそうは思いません。
社会に出てから必要か必要でないかはわからない。
けどそれを必死になって覚えるプロセスにこそ意味があるのだと思います。
役に立たないと決めつけて捨てにかかる。
それでは何の進歩にもならないと思います。
英検などの英語に関する資格についてなら先生の言うこともわかりますが、これは大学入試なんです。
社会に出てから実用英語をバリバリ使っていく人ばかりが受ける試験ではありません。
社会に出て何十年も前の英語の論文を読む必要が出てくる人達だっているわけです。
さらに日本を背負っていく未来の科学者達も同様に試験を受けるわけです。
その科学者達が損得感情のみで物事を考えだしたらどうなるんですか。
私は決してifの省略による倒置の英文が出題されたことに批判をするべきではないと思います。

投稿: SH | 2009年2月 3日 (火) 02時02分

 ifの省略による倒置が使われない表現であるかどうかは議論の余地があるにしても、「使われない英語は出題するな」という視点はきわめて正しいと思います。英語は実用の道具で、使えなければ意味がないからです。
 基礎的な実用英語の習得なしに論文の読み書きなどできるわけがありません。三面記事が読めない高校生に社説を読むことを要求するような大学入試英語問題は、英語嫌いを作るだけです。
 いっそ大学入試二次試験英語は全廃してTOEICあるいは実用英検で代替すれば日本人の英語がずっとましになるでしょう。アカデミックな英語が必要になったら大学で勉強すれば十分です。実用英語ができない高校生がアカデミックな英語に取り組んでも身につくわけはありません。

投稿: 鈴木康 | 2009年2月 9日 (月) 10時40分

それならばあなたは古典や数学も、必要な人は大学で学べばいいのだから高校で学ぶべきではないとおっしゃりたいのですか?
あなたの意見は極論であり、それならば高校などまったく必要ないことになってしまいます。
大学入試にTOEICや英検を採用するなど考えが浅はかすぎます。
それにあなたの意見は私の意見の反論にすらなっていません。
あなたの場合は英語云々の前に日本語の文を正確に読み取ることから始めるべきでしょう。

投稿: SH | 2009年3月 4日 (水) 01時02分

 日本語に関するご教示まで頂き恐縮です。「大学入試にTOEICや英検を採用するなど考えが浅はかすぎます」とのご説について理由をお示しいただければ幸いです。
 TOEIC的な要素が増えている最近のセンター試験の英語は、受験生の英語習得に資するところ大であると私は考えます。
 TOEICや英検というのはそれほど知的水準の高い試験ではありません。しかし、やさしいものの習得をいい加減にしたままで従来の大学入試二次試験問題のような難しいものをやらせても、英語ができるようになるのは稀です。まずはやさしい英語をしっかりやった方がよいでしょう。
 「水練は浅瀬から、英語はやさしいものから」というのが私の英語の師の座右銘でした。

投稿: 鈴木康 | 2009年3月15日 (日) 13時33分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« あけましておめでとうございます! | トップページ | コメントを頂きました。 »