塾卒業生の海外青年協力隊の山川くんからの報告
竹岡先生
お久しぶりです。お元気ですか?
今こちらは夏休みです。毎日35度以上の暑い日が続き、少しでも雨が降るとみな喜んでいます。
半年過ごしてみて、やはりナミビアは他のアフリカに比べるとかなり発展していると感じます。他のアフリカの国に行ったことがないので確証はないですが、他隊員の話や自分たちの生活の便利さから考えると、暮らしの楽な所は先進国並です。
ただ、そこがこの国の問題で、ナミビアは貧富の格差を表す係数が世界一らしいです。 生徒はそこまで貧しい暮らしをしていないので(表には出していないので)貧しいレベルがどれほどなのかはまだよくわからずにいます。
夏休み前にNationalExamというセンター試験のようなものがあり、生徒にいろいろ教えいてたのですが、その時非常に英語で授業をしなければならないことに腹立ちを覚えました。というよりも正確には植民地化や先進国による勝手な国の線引きに腹が立ちました。
この国はアフリカの他の国々と同じように定規で引いた線を国境としており、もちろん多くの民族が生活します。昔はそれに違和感があったかもしれませんが、ドイツや南アフリカのアパルトヘイトを経た今、どの民族も自分たちで勝ち取ったこのナミビアと言う国を愛しています。
自国を愛するということはとても喜ばしいのですが、そこが問題で、様々な言語を持つ人々が一つの国としてやっていくためには共通言語が必要となります。
ナミビアではそれが英語に当たり、テレビでも学校でも(Grade3、4(小学校3、4年)かららしいですが)英語が話されています。
英語で授業をするというのはマレーシアやカンボジアでもそうらしいです。今まで僕は、マレーシアやカンボジアからの留学生からそのようなことを聞いても、へぇそういう状況なんか~。くらいにしか思っていませんでしたが、実際に教えてみてある問題に直面しました。
この国の生徒はみなしっかり考える力を持っているように感じるのにいざテストになると非常に出来が悪いのです。日本ではいわゆる勉強の出来る子がクラスに3割いるとすると、こちらではそのレベルで勉強が出来る子が1割りに満たないのです。
最初これは文化の問題かなとか人種の問題が実はあるのかなとかいろいろ考えました。しかし、最近思うのが、英語(での)教育の問題です。
偉そうなことはいえませんが、数学は論理的思考がとても大事な学問だと思います。それに加えて言語処理というのもかなりの論理的思考が必要だと思います。
そして、今教えている生徒(中高生)は目で見て理解できる算数の世界から、概念の世界である数学への過渡期にあります。これから頭フル活動で数学を考えようとしている時に、自分が目をつぶっていても使える(←言語だから当たり前ですが)母語ではなくあえて英語を乗り越えた上で数学のことを考えなければならないというのは非常に脳に負担のかかることだと思います。
もちろん早い時期から英語を身につけることはとてもいいことだと思いますが、生徒がなまじ英語が話せるために、数学が出来ないのが英語で数学を考えるというすごいことをしているからという事実に気づかずにただ数学が難しいとか、自分がアホだとか思うようになるのが悲しいです。
そんなレベルでやっているのだから英語を踏まえた上で高度な論理思考が出来る子が少なくても無理はありません。
マレーシアやカンボジアからの留学生も国を代表するレベルで勉強が出来たやつらです。
この国の人たちが英語を手放すことはもう出来ません。どの民族、どの言葉を話す人もこの国を愛しています。いずれこの国のそれぞれの民族が使っていた母語も消滅するでしょう。
自分の狭い見解からですが、英語で授業を行っている多くのアフリカ諸国、マレーシア、カンボジア、、、どの国も発展途上国です。他の国によって勝手に国を作られたために、何百年経った今になっても後遺症がのこるこの状況が腹立たしく、悲しく思います。
とまぁ、こんなネガティブなことを結構思っていました(いまだに思っています)が、母語と英語、どちらを残すかはこの国の人が決めることのような気もするし、客観的に周りから文化を残そうみたいな意見が入るのがいいような気もするし、でも実際話すのはこの国の人たちやし、みたいな堂々巡りなので、流れを見守るしかないのかな。と思っています。
来年1月から1学期が始まり本格的にクラスを持たせてもらうので、状況を見つつ対応していくつもりです。先日上述したようなことを同僚やその友達にぶちまけていたら、その同僚達も同感だといって思いを聞かせてくれました。一人でもこの思いは強いですが、話をわかってくれる人がいるというのはやはり嬉しいものです。そのような感じで毎日過ごしています。
この夏休み期間はナミビアの各地の旅行も楽しんでいます。カヤックに乗ってイルカやアザラシをみたり、同僚の親戚の結婚式にお呼ばれして村に泊めてもらったり、これから砂漠行ったり、都会に行って日本の舞踊やダンスを他隊員と共に紹介したり、ナミビア人対協力隊でサッカーしたり。盛りだくさんです。
これからどんどん寒くなっていくでしょうが風邪などにお気をつけてよいお年を。
真夏のクリスマス直前
山川正雄
みんな偉いもんですね。竹岡広信(クリスマスの博多より)
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